よく聞かれます。
そもそも私はビデオに憧れや興味があったわけでもありません。
私は、こどものころから所属する大教会の鼓笛隊に入隊し、練習もせず友達と遊ぶだけの参加をしてました。
にもかかわらず、当時、金賞と銀賞を交互に受賞するスレスレのスリルを楽しんでいたスタッフのみなさんの都合で、一年間を左右されるのは嫌だと思い、ちゃんと指導できるスタッフにもなりたくて、天理高校吹奏楽部に入部しました。
案の定、入部2日目にして辞めたいと言い出すヘタレっぷりからもわかるように、始めのうちは練習もせず遊ぶだけの参加をしてました。
大学に進学し、少しばかり学んだ音楽の知識で鼓笛隊の指導をするようになり、学生生活はバイトと鼓笛に明け暮れました。
そのなかに、鼓笛隊で一生懸命やっても、どうしても演奏も行進もできない男の子がいました。
その子は、私が今まで学んできた知識や経験を駆使しても、また時間をかけて何度練習してもできないのです。
そこで私は、ビデオに撮って家庭でも練習してもらえるようにと、ビデオ編集を学びました。
これが私とビデオ編集との出会いです。
できていないところをあからさまに見せるのは良くないと思い、高校時代のコンサートのようにBGMで起承転結をつけて振り返りビデオにしました。
緊張の処女作発表にこどもたちは大喜びをしてくれ、そのときに受けた喜びは今でも鮮明に覚えています。
そして、DVDにして配ったので、後日、男の子の親御さんからの反応がありました。
「よかったです!最高です!感動しました!うちの息子も上手に入れてもらって、ありがとうございました」
制作者の意図を伝えることの難しさも学びました。
それからビデオ制作を通して、さらに人生を左右する出会いや貴重な経験もたくさんしました。
それが私の人生で大きな財産になっています。
残念ながら、その男の子は、不慮の事故により高校生のときに亡くなってしまいました。
その短い人生の中で、私の人生を変えてくれた彼には感謝しかありません。
そして、この技術で人に喜んでいただけることが、彼の魂に恩を返し、徳をつけられるように感じます。
そんな彼も天国でYoukiTubeを観て、楽しんでくれてたら嬉しいです。