わたしたちの“お母さま”と出会って  ―入浴剤・ピュールナチュラにこめた母娘の思い―(下)

  店名「ヴェルテ」の由来

 大阪湾にほど近い場所に、「エステデヴェリテ」はある。岩井敏子さん(80歳・大阪市・エクセフティ社長)の長女・由紀子さん(52歳)が店主をつとめる。

 エステという言葉は知っているが、ヴェルテはどういう意味か? 由紀子さんに尋ねた。

「ヴェルテって、フランス語で『真』『本当の』という意味の言葉なんです」

 由紀子さんの目指すエステは、人と比べるのではなく、お客様が本来もっている美しさを生かすこと。

「一番美しい、真の姿をお客様自身の“気づきと学び”で引き出していく」

 それが目標だ。そう話しながら、キラッと光る愛嬌のある丸い目が、雄弁に彼女の信念を物語る。

エステにかける思いを楽しそうに話す 岩井由紀子さん(エステデヴェリテにて)

 30年前、短期大学卒業から2年、「化粧品の製造販売とエステ」の事業をやりたい、という母・敏子さん(80歳)の熱意に押し切られる形で就職先の会社を退社、エステサロンに転職して技能を学んだ。美容専門学校の非常勤講師などをへてエステサロンをオープン。その後も勉強を重ね、短期大学で解剖学・フェイシャル実技・リフレクソロジー・ネイルの講師もつとめた。「極めたい」という由紀子さんの姿勢は半端でない。

 そして3年前、移転してオープンしたのが「エステデヴェリテ」である。

「二人三脚なんですよね、エステって」

 お客様が店で施術を受けるのは、月に1度か2度、次の来店までの「間」は、

「あなたがエステティシャンなんですよ」

 と話すという。生活サイクルや食生活、肌のメンテナンスなどていねいに教えるが、店で引き出された「プラスの美」を維持できるか「マイナス」になるかは、本人次第ということになる。

 由紀子さんが、施術前の「カウンセリング」に力をこめる理由はここにある。

エステデヴェリテの店内は、すみずみまで「癒し」の工夫がなされている ゆったりと時間が流れる

  カウンセリングから「おたすけ」へ

 店を訪れるお客様の中には、割引クーポンを使って店をめぐっている人もいる。どちらかというと、美を求めることに半信半疑のお客様が、入浴剤・ピュールナチュラを入れた足湯で寛いでもらいながら、いろいろ話を聞くうちに表情が変わる。20分の間に、「別人みたいに顔や雰囲気が変わった」と従業員が驚くこともよくあるという。

「内面からの美を引き出すためには、まず第一に、心の中から話をしてもらえるようにならないとあかんでしょ」

 心理学でよく言われる「聞く」と「聴く」。「聞く」は、音や声が自然に耳に入ることで、「聴く」は、相手の声を「注意深くきく」ということ。積極的に理解しようとして「聴く」ことを常に心がけている。

 元気がなく、夢など描けなかったというお客様が、生き生きとして将来の夢を語るようになることもある。

入浴剤・ピュールナチュラを入れた足湯 足湯の機械は敏子さんが企画して製品化された

 由紀子さんは、母の乳がんから入信した2011年からこれまで、親戚や友人、スタッフ、そしてお客様を何人もおぢばへ案内し、別席を運んでもらい、「ようぼく」へと導いている。彼女が「インスタ」に、正月に天理教教会本部で開かれる「おせち」の写真を載せたら、「由紀子さん、もしかして天理教? 実は……」と、天理教から離れていた布教所子弟のお客様が再び信仰に目ざめ、毎月おぢば帰りをするようになったという。

 さまざまな導きの陰には、もちろん母・敏子さんの後方支援がある。

本部神殿で参拝後、教祖殿へ向かう岩井敏子・由紀子母娘(教会本部中庭での撮影は禁止、ズームでの撮影)

 おぢばへ帰り、本部神殿で参拝をして、「本部おたすけ掛」(本部神殿にある、本部員の話を聞いたり、病気や困りごとを相談できるところ)で先生方の話を聞く。そうすると、母には乳がんの話が出るし、由紀子さんには、その時の悩みに関連した話が出る。

 がんの身情(病気)の友人を連れて行った時には、友人はおたすけ掛の先生から、

「あなたの本当の悩みは、それではないやろ?」

 じっと目を見て言われた。その時、抱えていた大きな事情を言い当てられたと直感した。

「胸にズドン、ときた。すごいな、あの先生、おぢばって」

 と、友人は驚き、別席を運んでようぼくになった。信仰を深めて事情を解決、身上のご守護もいただいたという。

  入浴剤「ピュールナチュラ」誕生物語

 2011年3月11日、東日本大震災の当日、「乳がん」の宣告を受けた岩井敏子さんは由紀子さんと一緒に別席を運び、翌年3月に「おさづけの理」を拝戴、由紀子さんは翌月、拝戴している。

 信仰の歩みを進めながら、敏子さんはなぜ乳がんになったのか考えた。

 それまで敏子さんは、化粧品や健康関連の商品を扱う会社で、化粧品や入浴剤を長年販売してきた。全国各地でセミナーを開き、数十人、数百人の人を前に健康になり美しくなる、より良き人生を手に入れるために、という内容の講演をする。講演後には、セットで数万円の商品が飛ぶように売れた。数十万人の登録会員を獲得し、莫大な利益を上げていた、という。

 仕事に没頭するあまり、身体のことなどかまっていなかった。親神様から借りている「かりもの」の身体を労わらず、仕事に没頭しすぎた結果だと思い至った。社内での事情からストレスもたまっていた。このままでは危ないと、「私たちのお母さま・おやさま」が、「人生の大転換」のために与えてくださった、それが「乳がん」だったと気づいた。

 乳がんになる前年秋、敏子さんは当時の会社を辞めた。前後して娘の由紀子さんは、独自の入浴剤、後の「ピュールナチュラ」誕生へと手を打っていた。それまで母親がお世話になった製造関係2社の方々と話し合い、タッグを組み、「天然素材で安心安全」な商品の企画・開発を進めていたのだった。そして2011年10月、「ピュールナチュラ」の製造が決定した。

 その間、由紀子さんは、製造会社の1社がもつ技術で、水の粒子の細かさと、原料に入れる塩の質と、粒子を細かくすることにこだわった。塩の粒が細かいことで、肌に感じるヒリヒリ感が軽減する。水の粒子が細かいと、肌からの有効成分浸透にもよい。

 そして、天然素材由来成分の組み合わせをいろいろと試し、試行錯誤をくり返した。特にお客様が好まれる「香り」作りには苦労した。化学成分だと作りやすいが、皮膚を通して身体によくない成分が入る「経皮毒」のない物をと、お客様の安心安全を最優先に複数の天然素材の配合具合を細かく変えて試した。

 そのうち、検査機器で測った成分表を見ることなく、誤差の範囲の配合の間違いを感じるまでになった。年齢も様々に、数多くの方に使用してもらって感想・意見を聞いてデータを集めた。そうして1年かけて「ピュールナチュラ」は誕生した。

母娘の絆・思いが ピュールナチュラを生んだ(エステデヴェリテにて)

  毎月記念建物」に足を運んで お母さまにお会いして

 母娘は毎月、「ピュールナチュラ」をおやさまにお供えしている。そして毎月1日には必ず天理教教会本部で参拝し、教祖殿・祖霊殿に参ってから、教祖殿の北庭、おやさまご在世当時の建物が保存してある「記念建物」へ足を運ぶ。

「つとめ場所」(元治元年<1864>完成)、「表通常門」(通称中南の問屋、明治8年<1875>)、「御休息所」(明治16年<1883>)など、おやさまが67歳から、明治20年に現身を隠される90歳まで、教えを説かれ、お休みになった場所である。

記念建物入口
母娘で記念建物へと向かう

 漫画本『劇画教祖物語』(道友社刊 原作:服部武四郎、作画:中城健雄)で当時の様子をイメージする。教祖伝や逸話篇で学んだお姿を、当時の建物の前で思い浮かべると、涙があふれる、という。

「お母さまが、わたしたちのために通ってくださった思い、親心が、胸中に広がって……」

 数々の身上・事情を抱える方々のご守護を願っておぢば帰りをする道中の中に、おやさまが、「くすり風呂」をこしらえて、希望する人に入らせられた、という話(『静かなる炎―梅谷四郎兵衛伝―』(山本順司著、船場大教会)を知った。

 一名とり草湯とも言うくすり風呂には、なんてん・くすのき・じゅうやく・よもぎなど、「九種」の草が入っていた、という。おやさまが、おぢばへ帰った身上の方々に、このようなお風呂をたいて入らせられたご様子が、慈愛あふれるお優しいまなざしとお言葉と一緒に、目の前に現れてくるのだった。

手を合わせると おやさまの当時のご様子が鮮明に胸に浮かんでくる

 母娘で誕生させた「ピュールナチュラ」には、ショウブ・シソ・クマザサ・ヒノキなど7種の天然成分と、コラーゲン・ヒアルロン酸のスキンケア成分の「九種」の成分が入っている。神経痛・リウマチ・腰痛・冷え性・疲労回復や皮膚状態の改善、保湿などの効果がある。「九」という数の一致は、偶然と言えばそれまでだが、これは、おやさまが、

「しっかりおたすけに使わせていただきなさい」

 とおっしゃっておられるように思えてならない。

 日々に使わせていただいた「かしもの・かりもの」の身体に感謝をしながら、「ピュールナチュラ」の入ったお風呂でゆっくりとストレスを取る。そして、明日への英気を養ってもらえることを願っている。

「おやさまが、25年先の命を縮めてまで残してくださった“お宝”、おさづけの理を、1人でも多くの方にいただいてもらうこと、それが、わたしの生涯の願いです」

 ご存命のおやさまを心底、お母さま、と慕う敏子さんの熱い思いは、40名以上の、おやさまから“お宝”をいただいた「ようぼく」の誕生につながり、現在も難しい身上の方々がたすかりの道を歩み始めてくださっている。敏子さんとともに歩む由紀子さんから、おぢばへ参り、自らおぢば帰りをする人々が数々誕生している。

 すべては2011年3月11日に始まった。“お母さまとの出会い”から生まれたのだ。

【岩井由紀子さんのお店・エステデヴェリテの情報はコチラ】

エステ デ ヴェリテ (amebaownd.com)

【ようぼく母娘の入浴剤・ピュールナチュラのご案内】
―健康は36.5℃の体温維持からー冷え取りとスキンケアに特化した入浴剤(薬用入浴剤・医薬部外品)

2種のスキンケア・7種の植物成分配合
 スキンケア成分:コラーゲン・ヒアルロン酸
 [冷え取り]:ショウヴ根エキス・チンピエキス・桃葉エキス
 [植物成分]:シソエキス・クマザサエキス
 [樹木成分]:ヒノキチオール・松エキス
効能
 神経痛・リウマチ・腰痛・冷え性・産前産後の冷え性・痔・肩のこり・うちみ・くじき・疲労回復・荒れ性
 あせも・しもやけ・にきび・しっしん・ひび・あかぎれ
価格
 1000g入り:定価3,900円が2,200円(税込)
 2100g入り:定価5,500円が3,300円(税込)
       ※一人風呂(約180L)にはキャップ1杯(約25g)
        湯量に応じて増量してください。一般の家庭風呂は(300~400L)
お問い合わせ・ご注文
 養徳社業務部:0120-920-398 までお電話ください。
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         養徳社業務部:0120-920-398
 ホームページURL:https://yotokusha.co.jp/

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この記事を書いた人

図書出版養徳社 編集課長
養徳社に勤めて30年。
2020年から養徳社が激変‼️YouTubeチャンネルが始まり右往左往。
Web magazineも始まり四苦八苦。読者の方が読んでよかった、と思っていただける記事を目指します。
趣味は自家製燻製づくりの55歳です。