取材で天理市の有名なうなぎ専門店、「みしまや」を訪れた

 土用の季節、取材で天理市の有名なうなぎ専門店、「みしまや」を訪れた。詳細は当Webマガジンのトピックを是非お読みいただきたい。

 ところで、このうなぎをはじめ元の理に出てくる動物たちは、いずれも食べられるものばかり。しかもすべて精のつく良質のたんぱく源だ。うなぎのほか、ふぐ、かれいはすぐに味が想像できる。かめはスッポン料理として弥生時代の遺跡からも出土するほどポピュラーだ。くろぐつなも蛇を食べる文化が地方に残るし、これは滋養になる。しゃちは?こふき十六年本などによると「こいの古びたもの」「こいのこせたるもの」という記述が見られる。つまり原型は鯉だと考えると、これまた古くからある庶民の食べ物だ。

「食べてその心味わいを試し」と元の理に出てくるが、食べたことがないとそのイメージは掴みにくいもの。やはり、元の理に描かれた人間創造の物語は、当時の人々にとって、親神様がみなぎる自然界のパワーを「食べて」そのまま人間の道具とされたというイメージなのではないか。

 そう考えると、親神様の「だんだん心尽くし切り」と仰せになる、人間か可愛い親心も、深く心に沁みてくるのである。

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